レイアウト空間の線種尺度をモデル空間と同じにする。

AutoCADや互換CAD(IJCAD、BricsCADなど)で作業しているとき、「モデル空間では綺麗に見えている破線や点線が、レイアウト空間(ペーパー空間)に行くと一本の実線に見えてしまう」、あるいは「線のピッチが変わってしまう」と悩んだことはありませんか?

レイアウト空間の線種尺度をモデル空間とまったく同じ(実寸基準)にするには、システム変数「PSLTSCALE」の設定を 0 に変更するだけで解決します。

設定を同じにする手順

レイアウト空間の表示をモデル空間と同期させる手順は以下の通りです。たった4ステップで完了します。

  1. CAD画面で「レイアウト」タブを開きます。
  2. コマンドラインに PSLTSCALE と入力して Enter を押します。
  3. 新しい値の入力を求められるので、0 と入力して Enter を押します。
  4. 最後に画面を更新するため、REGENALL(全再作図)と入力して Enter を押します。

これで、レイアウト空間上のすべてのビューポート内の線種尺度が、モデル空間と同じ見え方に固定されます。

なぜ見た目が変わる?原因と仕組み

この現象が起きる理由は、初期設定(デフォルト)の違いにあります。システム変数 PSLTSCALE(ペーパー空間線種尺度)は、以下のような挙動をコントロールしています。

PSLTSCALE の値 画面の見え方と特徴
0 (今回の設定) モデル空間と同じ倍率。 ビューポートのズーム倍率(縮尺)に応じて、線種のピッチも一緒に拡大・縮小されます。
1 (デフォルト) 印刷時の見た目を統一。 ビューポートの縮尺が「1/10」でも「1/100」でも、印刷したときの点線の隙間が常に一定(図面枠基準)に自動調整されます。

基本的には「印刷時のピッチを揃える 1」がCAD本来の便利な機能ですが、過去の図面データとの互換性や、特定の社内ルールがある場合は 0 に設定してモデル空間に合わせる必要があります。

設定が反映されないときのチェックポイント

「PSLTSCALE を 0 にしたのに点線にならない!」という場合は、以下の2点を確認してください。

  • 全体の線種尺度(LTSCALE)がズレている:
    モデル空間自体の点線が細かすぎたり粗すぎたりすると、レイアウト空間でも実線に見えます。コマンド LTSCALE で適切な値(図面縮尺が1/50なら「50」など)に調整してみてください。
  • MSLTSCALE も関係している可能性:
    モデル空間で「注釈尺度」を利用している場合、システム変数 MSLTSCALE が 1 になっていると、モデル空間側の見え方が注釈尺度に依存します。挙動がおかしい時は、この変数も 0 に揃えてみることをおすすめします。

※この記事の内容は、AutoCAD 2021〜2027、および主要な互換CAD(AresCADなど)で動作確認済みです。