AutoCADにExcelの表を取り込む際、もっとも手軽なのは「形式を選択して貼り付け」から「AutoCAD 図形」として貼り付ける方法です。
しかし、この方法には大きな罠があります。後から文字スタイルや文字の色を変更しようとしてもプロパティから変更できず、「一セルずつダブルクリックして書式を修正しなければならない……」という非常に面倒な作業が発生してしまうのです。
この不毛な時間をゼロにし、Excelの表をAutoCAD側で自由自在にコントロールするための「効果的な貼り付けアプローチ」を解説します!
エクセルからAutoCADへの効果的な貼り付けアプローチ
1. 最初から「データリンク機能」を使用する(基本の予防策)
2022以前のバージョンでの鉄則は、『必ずデータリンクを使い、挿入時の詳細設定で「Excel の書式を使用」のチェックを外すこと』です。これさえ徹底すれば、Excel側の余計な色情報やフォントのロックが最初からカットされ、AutoCADの「表スタイル」に完全連動した綺麗な表を一発で配置できます。
- コマンドラインに
TABLE(表) と入力してEnter。 - 「挿入オプション」で 「データリンクから」 を選択し、右側のボタンからExcelファイルを指定して読み込みます。
- 設定ダイアログの右下にある 「詳細設定」(表示されていない場合は「
>」ボタン)を開きます。 - 「セルの書式」項目にある 「Excel の書式を使用」のチェックを必ず外して 挿入します。
2. 「データリンク」を使っている場合はリンク解除も有効
「Excelと連動させたけれど、やっぱりCAD側だけで自由に編集したい」という場合は、データリンクを解除して「通常の表(AutoCAD単体のオブジェクト)」に変換するのも手です。事前に「Excelの書式を使用」のチェックを外して挿入していれば、リンクを切った後もプロパティから自由に変更可能です。
- 表の外枠(罫線)を1回クリックして、表全体を選択します。
- 右クリックメニューから 「データ リンク」 > 「データ リンクを解除」 を選択します。
- 警告メッセージで「はい」を選びます。
これで外部ファイルに依存しない、AutoCAD単体の扱いやすい表オブジェクトに変わります。
3. 通常貼り付けした表や, 解除した表に「データリンクを再定義」する
すでに「形式を選択して貼り付け」から「AutoCAD 図形」として貼り付けてしまい、文字スタイルや色が変更できなくなってしまった表でも諦める必要はありません。
実は、その表に対して後からデータリンクを「再定義」することで、一セルずつダブルクリックすることなく、一発で書式をAutoCAD側に合わせることができます。
- 修正したい表(AutoCAD図形として貼り付け済みのもの)のセルをどこでもいいので一つクリックします。
- 右クリックメニューから 「データ リンク」 > 「データ リンクを動的にリンク」(またはデータリンクを変更)を選択します。
- 元のExcelファイルを選択し、詳細設定で 「Excel の書式を使用」のチェックを外した状態 で再リンクを定義します。
- リンクが完了すると、表全体の文字書式がAutoCAD側の設定へ一括変換されます。
- (※今後Excelと連動させる必要がない場合は、この直後に「2. データリンクの解除」を行えば、完全に自由な通常の表として扱えます)
【おまけ】AutoCAD 2023以降をお使いの方はこちらを試して!
私自身は2023以降の実機で実際に操作していないので細かな挙動まではわからないのですが、AutoCAD 2023以降を使用している場合は、貼り付け時の書式設定を制御する便利なシステム変数が追加されているようです。
システム変数 PASTESPECMODE を「1」に設定するだけで、手軽に対策できる模様です(※初期値の 0 はExcelの書式を保持してしまいます)。
- コマンドラインに
PASTESPECMODEと入力してEnter。 - 値を「1」に変更してEnter。
- 通常通りExcelでセルをコピーし、AutoCAD側で「形式を選択して貼り付け(
PASTESPEC)」から「AutoCAD 図形」を選択して貼り付けます。
最新バージョン環境の方は、ぜひこちらの方法も試してみてください!
まとめ
Excelの表を「AutoCAD 図形」として貼り付けた表は、データリンクを賢く利用(再定義)すれば、驚くほど簡単に書式を変更できるようになります。
「一セルずつダブルクリックして直していた」という方は、ぜひこのデータリンク機能を活用して、図面作成のスピードを劇的にアップさせてみてください!